exposition
俺はジャイアンの「新しいバット買ったから殴らせろよ」かな。
shortcutss

しかし、「最低限の英語」からすれば、この返答はもっとひどい。
 なんとなれば、この言葉は、相手と社会と世界に対して完全クローズのポーズを決めこむ事に等しい。言えば、ひきこもりイングリッシュだ。

 人間だから、わからないことがあるのは当然である。
 まして異文化に入った最初のうちは、分からん事だらけだろう。
 だから、I don’t know.ってフレーズは必ず、しかも頻繁にアタマに浮かぶ。それは仕方がない。

 そんなときはこう置き換えるべし。

  What? なんだ? 

 バリエーションはいろいろあるが、最初はとにかく「What?」でいい。

 見知らぬものを見たとき、相手が何いってるかわからん時、I don’t know.と浮かんだら、とにかくWhat?だ。

 これだけで、発言のターンは相手にまわる。
 「What?」は、いつでも攻守を入れかえるマジック・ワードだ。
 しかもこれを言われたら、言われた相手に説明責任が生じる。

deli-hell-me
あの頃は良かったよ。あたしがステージに出ると客はみんな驚いた顔をするのさ。それからニヤニヤ笑う大人や指をさす子供もいた。こっちをカタワ女って馬鹿にしてんのさ。あたしがそれに構わず踊ってみせると、途端に拍手喝采でおひねりが飛び交うんだ。それがおかしくって昔は毎日げらげら笑って、仲間たちとも上手くやってたよ。なによりあたしは自分で食い扶持を稼いで、そんな自分に誇りを持って生きてられたんだ。それが今じゃどうだい。法律なんてものが出来て奇形の見世物が禁じられて、あたしらみたいなまともな仕事が出来ない人間は、毎日やることもなく、ただ他人のお情けで金を貰って生きていくしかないのさ。それなのにあいかわらずこっちをニヤニヤ見るやつらは減りゃしない。

―――元サーカス団員・カーラ=ルミントンへのインタビューより